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SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

パリピによってクラブの灯りが消えていくTokyo…クラブカルチャーから再生したベルリンから学ぶ、多様性を育むために必要なこと

Economist Music トレンド 洋書 最新 書籍レビュー 洋楽 EDM 歴史 伝統

クラブはパリピによって衰退している

Tomoさんのブログで根底に流れるPLURの精神を知ってから、僕はEDMが好きだ。クラブにも月一回くらいで通っている。そんなTomoさんは、年初に辛辣なコメントブログに書いている。

新年早々なんですが、日本ではEDMのイメージが微妙な形で定着していますね。タイトルに書いたとおりに近いのかなー。EDMはダンスミュージックとして最先端を行くもののひとつなんですが、そこはあまり理解されていないように思います。根底にあるPLUR(Peace,Love,Unity, Respect)の精神も。日本でEDMをプレイしているDJは、トップ40のように有名アーティストの曲をクイックミックスでつないでいることがほとんどです。これがEDMスタイルじゃないことは、もう何度も書いてきたので、いまさら言いませんが、EDMはプロデューサーカルチャーです。極端なことを言うとDJ主導じゃないんです。Hardwellも、Don Diabloもそれをはっきり言っていますよね。

EDM=ナンパ箱のBGM? パリピのテーマ曲? | Tomo Hirata ブログ

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もちろん、楽しみ方は人それぞれ。対価を払っている分、最低限のマナーさえ守ればナンパ目的でクラブに行こうが、バカ騒ぎしようが"自由"だ。

だけど、参加しているみんなが気持ち時間を共有できるように、大人な振る舞いはして欲しいところ。露骨なセクハラとかは、音楽を楽しみにしてきた人をホント嫌な気持ちにさせる。

そんな身勝手な自由を行使することで、我々は大切な文化を消費している。

流行で終わるものとそうでないものの差は、ライフスタイルに根付くかどうか?育くむ必要がある文化を一方的に消費していては新しい文化は生まれず、これまで育んできた文化さえも台無しにしてしまう。

ファション業界でエシカルという言葉で、"モノ"を大切にしようという動きがある。その一方的で、"サービス"系の動きがあまりない。

原宿やKawaiiの文化も同様。Cool Japanの商業的要素が多かった反動で、世間が飽きはじめていると思う。(きゃりーが紅白出れなかった理由に関連しているかは不明)

きゃりー、紅白落選で「ずっと泣いてる」心境告白 - モデルプレス

このような資本主義社会の中でどのように文化を育むのか?というのは、もっと真剣に考えないといけない。でないと客層が悪くなる→人が減るという負の連鎖に陥る。そんな客がいないもの意味あるの?っていう感じで、法律ももっと厳しくなるかもしれない。閉鎖されるクラブも増えていくんじゃないかな。去年に閉店した代官山Airのように有名クラブが急にってことだってある。

ヨーロッパの動向は?

じゃヨーロッパはどうかというと、違う問題で苦しんでいる。閉鎖されるクラブ数も年々増えている。
  • 都市化を進めるにあたり、ドラッグや犯罪の温床のイメージが強いクラブは、厳しい法律の管理下に置かれている。
  • 若者のアルコール離れでクラブに行かなくなっている。
  • 客がナイトクラブから、昼の大規模フェスにシフトしている。

www.economist.com 

音楽も時代と共に変化する。昼間に大規模フェスの方が、健全な感じがするのもわかる。けど、夜しかないテンションもやっぱりあると思っていて、そこで見えないものってあると思う。

くだらない例だけど、昨日クラブに行ったらいつもより「SMAP」の曲がいつもより流れてた。世間で騒がれているけど、そんなにSMAP気に留めてへんかった。多くの人もそうじゃないか。

けど、"SHAKE"と流れると年代問わずにめっちゃ盛り上がるんですよ。どの年代も一つに出来るSMAPって改めてすごいなと感じた。たぶん、夜のテンションだからこそもあると思う。

ドイツ(特にベルリン)だとこういう自由というか、クリエイティブな部分が大事にされている。

では、ベルリンがパリピの集まりの都市かと言われるとそうではない。欧州版シリコンバレーと言われるほど、スタートアップ企業は多いし、アートカルチャーの発信の場となっている。

クラブは、音楽を通じて自分自身を思いっきり表現できる場所。クリエイティブなものや新しいビジョンは、こういう空間から生まれるんです。ベルリンのクラブカルチャーが、音楽のみならず、ファッションや映画・ゲームといった他の創作活動にも好影響を与え、まちづくりや観光資源にもなることを訴え続けました

クラブカルチャーからベルリンの知られざる25年間を解き明かす「AFTER 25」[イベントレポート] | greenz.jp

実際、The Ecomoistのデータでも、ベルリンの閉鎖予定のクラブはロンドンやアムステルダムに比べると少ない。クラブ文化がしっかりと根付いているからだろう。

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文化を消滅させないために必要な繋がり

文化はライフスタイルに根付くものと何度も書いている。それを実現するには簡単ではない。多くの協力が必要だ。クラブのような爆音なら尚更、周辺住民の協力がいる。
ベルリンは、クラブというアンダーグランドと地域・実社会を繋げることでその問題をクリアーした。
「自分たちは何者であり、なぜベルリンの街にとって重要なのか?」を積極的に発信することで、アンダーグラウンドな存在だったクラブカルチャーを地域や実社会と接続させ、ベルリンの新しい価値として位置づけようと考えたのです。
今、東京がクリエイティブな都市になるには、ベルリンのような多様性が欠かせない。利他的なマインドで、もう一度価値観を見直すタイミングなのかもしれない。
アンダーグラウンドな存在だったクラブカルチャーがベルリンを代表する文化的・経済的価値となったのは、「今さえよければいい」という刹那的な視点や、「自分たちさえ楽しければいい」といった閉鎖な視野によるのではなく、中長期的な視点から自分たちの意義や価値をとらえ、地域や社会とのつながりの中で自らを位置づけたからこそ。

ベルリンの多様性は、閉鎖的だった物理的な壁を自分たちで壊し、価値を再構築した結果。2016年はベルリンの壁のような物理的な壁はないが、宗教・価値観によって社会が分断される可能性がある年。あのSMAPだって分断される危機だ。

難しく色々書いたけど、みんなで良いもの作って行こうよってこと。そのためには、感受性を高めることと、信頼を生むための利他的な行動は必要っす。

その他参考:

壁崩壊から25年のベルリンに 都市におけるクリエイティブ・カルチャー発展の可能性を学ぶ | 5th-element.jp - music+politics+youth

Lost and Sound: Berlin, Techno und der Easyjetset

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