SHIKOの道

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「危機感」を持つ人が生き残るという意味を「シンプルに考える 著者 森川 亮」を読んで考えた

危機感を持つということ

森川 危機感は、新しいものを生み出したり、組織や制度の変化をうながす大きな要因になりますよね。だから、僕にとって危機感は、ある意味で「味方」なんです。
そうなんですよ。人間うまくいっている時って、新しいことをしようというよりも、今の状況をどのように確保するかって守りになってしまうんですよね。
実際に、危機感を感じてやるって難しいと思うんですよ。なぜなら、リーマンショックのように、急激な変化ってそうそう起こるわけじゃないから。少しずつ少しずつ気づかないペースで悪化して、気づいた時にはもう手遅れみたいな。

だから、敢えて危機的状況に身を置くというか、そういう状況を作り出すというか、そういうのがますます大事になると思う。
じゃ森川さんは、どうやっていたの?って思って昨年の著者を読み返してみました。
シンプルに考える

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 キーワードは「何のために?」

本書をめくっていくと、「計画はいらない」「モチベーションはあげない」「イノベーションは目指さない」など、おいおい危機感持っているのかこの人?っていうキーワードが出てくる。

そういった認知的不協和な言葉の羅列だけに目がいくと本質を見失う。そう、この本に書かれているどういうメッセージであれ、「何のために?」という本質を見極めることの重要性が書かれているのだ。

例えば、p.68以降に「専門家にならない」という言葉がある。ゲームの専門家からすると、ケータイゲームのような手軽なゲームは、精密なグラフィックを職にしてきた社員からすると邪道にしか見えないでしょう。そう、その時に重要なのは「ゲームの本質とは何か?」ということである。決して、グラフィックではないのだが、専門家になると、これまでのバイアスでそこを見誤ってしまうことがあるのだ。

では、どうやって危機感を持つような状況を作り出していたのか?
恐らく、森川さんの考えは、社員のモチベーションを上げるのは、突き詰めれば会社がやることではないということだろう。優秀な人材に投資をし、生き残るために結果を出す。厳しい言い方で書かれているが、モチベーションを上げることをできない人はプロ失格なのだ。サバンナの動物が、ダルいとかいってダラダラしていないのと同じだというニュアンスだ。

だからこそ、一番最初の目次は、"「熱」こそ仕事の成功に条件である"となっているのだはないか。自分自身も、ついつい仕事を受け身になりがち。与えられる仕事をしていれば楽だし。そう、気づけば、危機感も会社に与えてもらうもの?そんな思考になっていたのかもしれない。
もっと自立しよう。自分でもっと新しいものを生み出していこう。

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変わり続ける―――人生のリポジショニング戦略

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