SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

現代アートの本当の楽しみ方―表現の可能性を見つけにいこう

どのようにアートを楽しむのか?

アートの鑑賞する際出てくる言葉「感受性」。一般的には、対象の要素を汲み取る力と言われている。
そう、僕が考えるアート一番興味深いところが、この感受性磨かれるところだ。
わからないなりに、作品と向き合い、感じたことを受け入れ、時には批評し、解説を読んだり、音声ガイドを聴いたり、一緒に行った人と感想を言い合ったり、その過程そのものがとても楽しいのだ。村上隆さんも、「人は非日常的なものを求めて美術館に行く」とおっしゃっている。
 
けど、よくわからないというのが正直な感想だ。アートをより身近に感じるための一冊を紹介する。

 

現代アートの本当の楽しみ方―表現の可能性を見つけにいこう (Next Creator Book)

現代アートの本当の楽しみ方―表現の可能性を見つけにいこう (Next Creator Book)

 

 

この本は、アートに接点がない人には接点を作り、アートが好きな人にはアートと社会との接点を提示してくれる。

美術館に行く意味
知る楽しさ、自分の見方を知る楽しさなど美術館に行く動機が様々だ。もちろん、自身が美術の才能に溢れている必要はない。本書でも野球が例に例えられているが、150kmのストレートを投げられなくても野球を楽しめるのと一緒なのだ。もちろん、前提知識があれば、より楽しめる。去年のフォームに比べて下半身安定しているから、ストレートの威力が増しているなどの本格的な解説はプロに任さればいい。いやぁここはピッチャー変えずに続投でしょっていう感じで、わからないなりにも、自分の見方で楽しむが醍醐味なのだ。
 
社会の中でのアートの位置付け
アートというとお金持ちの嗜好品というイメージがある。しかし、それはあまりにも狭義すぎる。アート作品には、それぞれアーティストの想い・主張が表現されている。別の言い方をすると、作品を通して、発信していると言ってもいい。
これからの時代、個人だけでなく、地域・国単位でも個性が求めれる。けど、経済的観点にばかり目を向けた結果、自分の色を見失い、色んなものが単純に混ざり合って全てモノがグレーになっているのでは?と本書は疑問を投げかけている。
例えば、ショッピングモールなんかそうだと思う。ショッピングモールは、とても便利だった。けど、どこにいっても同じ箱ものという印象は否めない。それなんかよりも、地元にある商店街の方がよっぽど個性的な雰囲気がある。ただ、その個性を発信できていないから、人は商店街よりも便利なショッピングモールに行ってしまう。もちろん、ショッピングモールの中には、独自の企画や地域連携をしているところもあるだろう。
ここで言いたいことは、独自を発信するにはもっとアートの力を発揮する必要があるのではないか?ということ。なぜ、Beatsのヘッドフォンは優れているのか?ピクサーの映画は優れているのか?ブログに書いてきたけど、経済的/技術的観点だけでなく、文化的/アート的観点を組み込む必要があるのだ。

 

現代アートの本当の楽しみ方―表現の可能性を見つけにいこう (Next Creator Book)

現代アートの本当の楽しみ方―表現の可能性を見つけにいこう (Next Creator Book)