SHIKOの道

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慶應現役モデルが語るエシカルファッションとセルフブランディング

ギャルから慶應?モデルの鎌田安里紗さん@六本木アートカレッジ
エシカルファッション」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
安く、大量に作る「ファストファッション」の対極にある言葉と言ってもいい。
つまり、地球や環境に配慮したファッションだ。
 
実はファッション業界は、かなり環境負荷の高いビジネス。
石油業界の次とも言われているくらい。
また安い労働環境は、生産者や生産地を苦しめている。
 
それを解決するために生まれたのが、エシカルファッション
六本木アートカレッジで鎌田安里紗さんのトークで、エシカルファッションについて聞いてきた。
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慶應現役モデルとして活躍中の鎌田さんは、若者をターゲットとしたエシカルファッションをプロデュースしている。
enjoy the little things

enjoy the little things

 《鎌田さんのブログ》

ameblo.jp

彼女のルーツは中学3年生のときに訪れたインドネシア
そこで目にした物乞いをする子供たち。
 
寄付・ボランティアでは根本的な解決ができない、
ビジネスを作る仕組みが必要だと考え、フェアトレードにいきついた。
 
その当時からモデルをやっていた鎌田さん。
それもギャル雑誌のモデルだ。
 
彼女のファンは、まさにファストファッションを楽しむ女子高生。
いかに安く、ファッションを楽しむかの世代だ。
一方、フェアトレードエシカルなファッションは、ターゲットの年齢層がもう少し高めになる。
小難しい話だったり、商品の単価も安くないからだ。
 
そんな不安のもと、鎌田さんはブログでフェアトレードのバッグを販売した。
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すると、24時間以内に完売したという。
 
そのとき、
「少し難しい話でも、みんな興味がある。」
「その発信のルーツとして、モデルという立場は使える」
そう感じたという。
 
Wear Me Million Times
しかし、鎌田さんのターゲット層でエシカルファッションを広げるにはどうしても制約がある。
それはコスト。どうしてもコスト的に実現できないのだ。
そのときに、思いついたのが109のブランドENVYとのコラボレーション
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そこには、「WEAR ME MILLION TIMES:百万回は着てね」という文字を入れた。
安易にモノを買わない、そんなメッセージ性の強い作品だ。
 
影響力を高めるには?
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  1. 接点をつくる
  2. 雑用力をつける
  3. 認知的不調和をおこす 
  4. 複数のコミュニティに関わる
  5. すべて情報であると意識する
これらは、鎌田さんがセルフブランディングを高めるために、結果的にやってよかったこと。
正直、5.はモデルという特に見られる仕事であったこその意見だと思う。
 
しかし、3.4.はとても面白い視点だった。
注目されるためには、何か特異でなければいけない。その方法の1つが認知的不調和を崩すことだという。
2つの矛盾を認知するとき、人はその矛盾を解消したいという欲求が生まれる。
ギャルだけど現役慶應のように、どういうことだ?知りたい?という欲求を生み出し、注目を得るのだ。
鎌田さんの場合だと、ギャルx慶應xエシカルといった具合に人はどういう人なんだろうという興味うぃ惹きつけるのだ。(実際、僕はこの不協和音状態だったため、彼女のトークを聞きにいった)
 
では、どうすればこのような不協和音を起こすことができるのか?
それは複数のコミュニティに関わることだという。
それにより、自分のバックセルを複数持つことができる。
(僕の場合は、きゃりーx洋書・・もう少し考えよう。)
 
日本にエシカルファッションが根付く日
今も慶應の大学院で研究を続けている鎌田さん。
ISETANとのコラボレーションや、ファッションの生産現地のことをより良く知ってもらうためのStudy Tourなどエシカルファッションやモデルの仕事も両立している。
認知的不調和とか語るモデルがこれまでいただろうか?
話がしっかりしているだけでなく、人格的にも素晴らしい人だった。
日本にエシカルファッションが根付く日は、そう遠くないかもしれない。
 
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