SHIKOの道

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なぜ、Converseは100年続けたブランドを"今"捨てたのか?

米老舗シューズブランドが決断した選択

街でオシャレな人をみかけると、必ずと言っていいほど"いい靴"を履いている。

"オシャレは足ともから"と言われるように、一見目につかない足元をおろそかにすると、一気にその格好がダサくなる。

そのため、靴には機能性だけでなく、そのデザインが重要求められる。

そのデザインが愛され、ブランドとして認知されるまでは長い年月が必要だ。

実際ABCマートで売られているスニーカーは、100年以上の歴史を持つブランドが多い。

その中でも人気ブランド"Converse"。

星のマークが特徴的なChuck Taylor All Starは一度は見たことがあるだろう。

この製品が初めて発売されたのが、1917年。

これまで一度もアップデートされなかったが、約100年の歳月を経て、初めてアップデートされることが発表された。

www.fastcompany.com (Fast Company 9月号から引用)

Nikeの技術を融合

A lining made from a foamlike material called Lunarlon, developed by Nike—which acquired Converse in 2003—heightens the cushion.

2003年にNikeに買収されているConverse

今回はNikeの最新テクノロジーを取り入れ、クッション性などの機能面を大幅に改良している。

The Converse Chuck Taylor All Star II - YouTube

動画を観るだけでも、普段ABCマートで売られているConversとの雰囲気の違いがよく分かる。

なぜ、今リスクを取ったのか?

2003年には破産寸前の状態になり、Nikeに買収されたConverse
しかし、近年は業績が上向いており、10年前に比べると35倍の規模となっている。

だからこそ、今のこのタイミングでChuckのブランドを捨てることにしたとCEOのJimは語る。
過去の失敗を学び、経営が安定している今だからこそ、次の成長のために必要な選択なのである。

Converse CEO Jim Calhoun says it's because the brand is bigger than ever. Converse reported $1.7 billion in revenue in 2014, with Chuck Taylor All Stars "by far" the biggest part of that business, Calhoun says. Converse sold more than 70 million pairs of Chucks last year, 35 times its yearly sales of a decade ago.(Omit)Now was the right time for Converse to disrupt the Chuck, Calhoun says, because it couldn't afford for someone else to come along and do it. 

 実際に、Chuckの愛用者はより快適な機能性を求めている。その声は確実にあった。
しかし、彼らはChuckを愛している。
だから、どんなに快適な機能性を具備しても、それがChuckじゃなかったらいらないのだ。

He spent weeks at a time tagging along as they played beside acts with names like the Howling, Axewound, and the Cancer Bats, asking everyone who'd talk to him what they wanted from a pair of Chucks. A lot of them wanted the same performance-based improvements from their All Stars that athletes want from their Air Jordans: more cushioning, more comfort, more support, and more traction. But if it didn't still look like a Chuck, they wouldn't wear it.

 パフォーマンスの進化、それをこれまで愛されてきたブランドを犠牲にすることなく成し遂げることが必要だった。

Back at Converse headquarters, the two execs were faced with a challenge: deliver the performance improvements Chuck fans were asking for without sacrificing the look that they loved. 

今回の新しいモデルは$70(Originalは$50)に設定されており、
これまでのChuckのファンが手に届く価格帯に留めている。
 
中には、Converseの良さがNikeに吸収されたと嘆くファンもいるだろう。
しかし、今の良い状況が永続的に続くことはあり得ない。
どこかのタイミングで思い切った決断をしなければならない。
だが、この決断が難しい、100年の歴史に終止符を打つなんて尚更だ。
Converseがこの決断ができたのは、破産寸前までいった過去を経験しているからだろう。
失敗から学んだことを次に活かすことは、100年続けることよりも大事なのかもしれない。

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