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SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

ヒラリー・クリントン 困難な選択-彼女に大統領の素質はあるのか?

ヒラリーの激動の4年間を綴った回顧録

来年2016年は、オバマ政権の任期が切れる。世界に最も影響を与える選挙、アメリカ大統領選が始まるのだ。
その大統領選に出馬表明をしている女性がいる。ご存知、ヒラリー・クリントン氏だ。
彼女が、日本で最初に有名になったのが、ビル・クリントン元大統領のファーストレディとしてだ。
2008年には自ら大統領選に立候補した。現オバマ大統領に敗れてしまうものの、民主党内の融和戦略の一環で、国務次官の就任を要請される。そして2009年から2013年の間、国務長官として任務を遂行した。
 
彼女の4年間はまさに激動の時代だった。
アフガニスタンイラクにおける戦争の終結、世界金融危機の対応、対等する中国のへ対応、日本を含む同盟国との関係の再構築、中東の混乱、アラブに春などなど。しかし、それだけではない、2013年にリビアベンガジでは米国領事館がテロリストの襲撃を受け、国務長官として重い責任を背負わされた。
 
そんな彼女エピローグが書かれた本「困難な選択」
この本には「乗り越える」という言葉が多用されているが、これが彼女の想いなのかもしれない。
彼女は困難な選択に直面したときに、二者択一では考えていない。価値観、人種、性別、文化、宗教乗り越えて、第三の道を選ぶことを妥協しないのだ。
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なぜヒラリーが期待されているのか?

この本はアメリカでは大ベストセラーとなっている。つまり、ヒラリーは来年の大統領選の最有力候補と言っても過言ではない。ではなぜ、そこまでヒラリーに期待が寄せられているのか?
確かにヒラリーには、ファーストレディの頃から、"強い女性"というイメージがある。2008年の大統領選でも女性初の大統領かという声があった。しかし、彼女には政治家としての"経験"がなかった。
 
その足りなかった経験は4年間で完全に埋まった。
任期中に彼女が訪れた国は112ヶ国。100万マイル以上の旅により、世界のリーダーになるために必要な視座、価値観、多様性、知見を得ることができたのだ。
アメリカ大統領は世界で最も影響力のある人物だ。だからこそ、生半可な知識や価値観では通用しない。今世界では、様々な紛争、経済的不公平や格差、気候変動やエネルギー問題、そしてLGBTや女性の人権。幅広い知見と、それを理解する受容性が必要となる。
彼女はそれを肌感覚で理解している。例えば、中東の対話の在り方について本書でこう述べている。
長年、多くのアラブ指導者たちと話しあった結果わかったのは、彼らの多くはただ単に現状満足しているのではなくゆっくりとした変化であれば受け入れるということである。私は彼らと個人的な信頼関係を構築する方法を探して、彼らの行動に影響を与える文化的、社会的な観点をより深く理解し、可能な場合には、より迅速な変化を求めるようにしてきた。
そして実際に、アラブの指導者に向けてた彼女の発言はこうだ。アラブの指導者に向けて、力強いメッセージを寄せている。
現状に固執しても、国の抱える数々の問題の衝撃に短期間は持ちこたえられるかもしれませんが、永久には不可能です。(略)誠実に将来と向き合いましょう。なすべきことをオープンに議論しましょう。この機会を利用して、レトリックを乗り越え、消極的で段階的な計画捨て、この地域正しい方向へと進めることを確約しましょう。

演説だけでは、世界は変わらない

演説やスピーチ力は大切だ。オバマ大統領まさにプレゼンの天才だ。彼は言葉を巧みに使い、聴衆を魅了した。
しかし、言葉だけで世の中を変えれるほど政治や世の中は甘くはない。オバマ大統領をみると、素晴らしい演説をすれば、世の中を変えることができるという過信があったのかもしれない。
人を動かすには、素晴らしい言葉に加えて、政治力が必要だ。つまり根回しによる人間関係の構築である。
ヒラリーとオバマの決定的な違いは、この政治力だと思われる。本書で彼女は、人を動かすことについてこう述べている。
時に、外交においても、人生においても、実際に変化をもたらす最善な方法は、人間関係を構築し、それをいつ、どのように使うかを理解することで得られるのだ。

なので、彼女ほど今、アメリカ大統領にふさわしい人物はいない。

恐らく、彼女が大統領になったとき、これまで以上に困難な選択迫られるだろう。そのとき彼女がどのような選択をするのか?同盟国に日本に何が求められるのか?今から考えていても遅くはない。

困難な選択 (上)

困難な選択 (上)

困難な選択 (下)

困難な選択 (下)