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SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

「今、裸でも生きる強さを」マザーハウスの山口絵理子トークイベント

マザーハウス代表兼デザイナー 山口絵理子トークイベント

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」

この理念を掲げ、バングラディシュ・ネパールでバッグやアクセサリーを製造し、日本で販売しているマザーハウス
その代表兼デザイナーの山口絵理子さんは、社会企業家として多数のメディアに取り上げられている。
今回、彼女の図書《裸でも生きる》が文庫化記念イベントに参加した。
裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける (講談社 α文庫)

裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける (講談社 α文庫)

本当の強さを持つ
人は弱さ・コンプレックスを受け入れたとき、本当の強さを身につけることができる。
彼女の場合は、小学生時代のイジメだ。不登校になるほどの壮絶なイジメ。中学生のときは非行にも走ってしまったそうだ。
 
そのときの自分を変えたのが、柔道との出会い。
高校のときは、男子に混ざって日々練習し、最終的には全国7位にまで登り詰めたという。
 
「みんな知らないだけで、社会の端っこにいる人もやれば絶対できる」それを最前線でビジネスに変える
小学生時代のイジメの影響だろうか、山口さんはとてもマイノリティに対する尊敬の意を持っている。
トークイベントで副社長の山崎さんが語っていたが、彼女の凄さは「好奇心」と「学習とする意欲」
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正直なところ、発展途上国に対して可哀想だとか役に立ちたいという、どこか上から目線な感情を持ってしまいがちだ。
日本企業が現地に行った場合も、日本式の教育・業務の元で、現地の人が働いているケースはほとんどだ。
しかし、山口さんの場合は、まず尊重から入る。そして、現地の人の技術に対して、なぜ?どうするのですか?ということを流暢なベンガル語で語り、急速に関係性を築くそうだ。
そう、山口さんは経営者の肩書きを持ちながら、最前線で新しいビジネスを切り開いているのだ。
バングラディシュの場合は、ジュートという素材。現地の人と話していると嬉しそうに、この素材について話す彼らの姿をみて、ジュートを使ったバッグ作りをスタートしたのだ。

最終ゴールはモノをよくすること

山口さんや山崎さんのモチベーションは、意外にも「怒り」だそうだ。
このやり方はおかしい、こうあるべきではない、
そういった感情が原動力となっている。
 
ストイックという言葉だけでは、表現できない強さがある。
想いに頼っていた。まずはモノとして認められなければならない。
これは山口さんの言葉の中で印象に残っていることの1つ。
 
今の時代、人がモノを買う動機は共感だと言われている。
マザーハウスの商品は、まさに発展途上国の人がひとつひとつ想いを込めて手作りしているブランド。
これだけでも、今のマーケットでは充分に受け入れられるだろう。
 
だけど、山口さんの目的はモノをどんどん良くしていくこと。
これは経営者だけでなく、デザイナーとしての肩書きを持つ山口さんだからこその感性だろう。
 
経営者はコストは最小限にしたい、デザイナーはコストを気にせずに自由に作りたい
このバランスは非常に難しい。
この部分は悩みが尽きなかったそうだ。最近、モノを造る製造から販売して商品を手にする人が、一気通貫で捉えられるようになってきたそう。
つまり、販売ではこのバッグ1つを売る意味は何か?そこに人間としての可能性と想像力が試される。
単純なルーティンワークしているだけでは実感できない、とても心に刺さりました。
 
もし12年間あったら、、、
もうひとつ、印象に残ったエピソードがある。
それは山口さんが三井物産インターンをしていたとき。
 
三井物産で現地の駐在員として、働くことも考えていたそうだが、考えを改めた。
そのきっかけは、三井物産で一人前になるには12年必要っていうこと
 
そのとき、こう考えたという
12年間でどれだけ失敗できるかな
失敗をして、そこから学ぶことは重要だ。
そして、何より本当の人の心、人の弱い心を理解するために、失敗することが重要だと考えていたという。
なんて、心の強さ。
実際、マザーハウスは輝かしい成功ばかりではない。
山口さんが社長だから辞める、そう言われて何人もの社員が辞めていったこともあったそうだ。
そのときは、社員全員が自分と同じ理想や考えを持ち、働いていると思っていた。
しかし、実際はそれぞれが理念を解釈し、自分の持つ価値観・ミッションの元で働いていたのだ。
この失敗から、社員のダイバーシティの尊重、コミュニケーションに力を注いだという。
 
想いを繋ぐトークイベントだった
バングラディシュから現地ディレクターのマイヌル氏も登壇。500人の人前で話すのは初めてということで、感銘されているようだった。
ちなみに、このマイヌル氏は、マザーハウスの面接に2時間遅刻したというエピソードも。
遅刻をチャラにするほどの風格が採用の決め手になったそうだ。
確かに山口さん、山崎さんに劣らない、マザーハウスへの想いがこもったプレゼテーションだった。
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現地とスカイプで繋いだりもしました
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発展途上国で難しいのは、品質管理だ。良いものを作ることは難しい。
現地の人々をうまくマネージメントする必要があるからだ。
しかし、マザーハウス違う。みんな生き生きと働いているからだ。
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これは、現地の人がみんなが、自分が作ったバッグを手にする人の顔を知っているから。
自分の仕事が日本で売れている、今日も500人のファンが会場に来ている、
そんなワクワク感がモチベーションのようだ。
想いを繋ぐというのは、まさにこのことだ。
 
帰りは、山口さん本人から手渡しで、しおりを頂く。
モノ通して、想いを繋げる山口さんのアイデアだ。
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今後は、発展途上国という切り口だけでなく、少数民族やマイノリティというキーワードで、
ものづくりが答えられるかもしれないに取り組んでいくとのこと。
今日一日でマザーハウスのファンになってしまったな。
裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社 α文庫)

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自分思考

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