SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

「世界はシステムで動く」システム思考を学ぶための素晴らしい1冊

世界がもし100人の村だったら」のエッセイを書いたドナウ・メドウズ氏

作者のドネラ・H・メドウズ氏
MITの特別研究員であり、限りある地球の人口と経済成長のダイナミクスを一般の多くの名著を執筆した
世界がもし100人の村だったら」という有名なエッセイは彼女が書いたもの
残念ながら2001年にお亡くなりになった
本書は1993年に草案されて、これまで出版されなかった1冊です
 
【構成】
第1部 システムの構造と挙動
 第1章 基礎
 第2章 ”システムの動物園”にちょっと寄ってみる
第2部 システムと私たち
 第3章 なぜシステムはとてもよく機能するのか
 第4章 なぜシステムは私たちをびっくりさせるか
 第5章 システムの落とし穴……とチャンス
第3部 システムと私たちの根底にある価値観に変化を作り出す
 第6章 レバレッジポイント システムの中で介入すべき場所
 第7章 システムの世界に生きる
 

今起きていることの本質をつかむ考え方

ドネラ氏は、物事の本質をわかりやすく説明することに、非常に定評がありました
本書は22年以上前の本ですが、彼女が語る本質は色褪せることはありません

この本ではシステム思考を用いて、以下のことを目標としています。

  • 部分を理解する力を鍛える
  • 相互のつながりを見る
  • 将来的に可能性のある挙動について、「もし〜なら、どうなるか?」という問いを発する
  • 創造的に勇敢にシステムを再設計する

そもそもシステムとは?

何かを達成するために一貫性を持って組織されている、相互につながっている一連の構成要素

と本書では定義されています。

またよく機能するシステムには、「レジリエンス」「自己組織化」「ヒエラルキー」の3つが挙げられています。

例えばヒエラルキーはイメージしやすいのではないでしょうか?

世界は、サブシステムが集まってさらに大きなサブシステムになり、それがさらに大きなサブシステムになる形で組織化されている。(例:肝臓の細胞は、ひとつの器官のサブシステムで、それは有機体としての人間のひとつのサブシステムです。そしてその人はまた社会を構成するサブシステム、その社会は国や経済圏を構成するサブシステムとなります)

サブシステム間のつながり、構成がシステム全体の安定性に寄与すると本書では述べられています。

新しいことを考えられる人の思考法

この人できるなと思ったとある人に言われたことですが、

「世の中でできるやつは、A,B,Cと異なる現象や考えに対面した時に、それらの構造化して、問題点と解決策を具体化できる能力を必ず持っている」

初めて聞いたときは、ハテナが10個くらいつきました(笑)が、本書読んでそれが少し理解できました。

①世の中のシステムの要素を構造化し②相補関係をヒエラルキー化しているんだなと今では解釈しています。

正直、①や②を高いレベルで発揮できていないのが現状。本書の読み込みもまだまだだ。

久々にであった読みごたえがある1冊。自分の身になるまで何度でも読む。

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方