SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

iPhoneのセールスライターが考える「伝わるWebライティング」とは?

今求められるのは、もっと・ずっと・しっかりつながること

「Nicely Said」の翻訳「伝わるWebライティング」が発売された。

これまで、文章術に関しては多くの本が出版されてきた。また、文章を書くことが元々好きな人は、そんなビジネス本なんかに読まなくても、苦労せずスラスラと文章を書いてきたはずだ。

それでもこの本を読んで欲しいのは、この本の著者がニコル・フェルトン氏であるからだ。

ニコル氏は、Apple社のWebライターとして活躍した経歴を持っている。彼女がコミュニケーション部門を率いていたときは、ちょうどiPhoneiPadが発売されていたときである。

世界的大ヒット製品をWebというチャネルからセールスしていた彼女の手法は、「読者への共感」と「読者のニーズ」土台となっている。

つまり、対象となるコミュニティ文化、ボキャブラリー、感受性をいかに言葉にするのかについて書かれているのだ。それにより、もっと・ずっと・しっかりつながるコンテンツを創ることができるのだ。

親切に「話しかけるように書く」ことから始めよう!

言葉はパワフルです。皆さんの言葉が人を幸せにしたり、悲しませたり、不満を与えたり、誇りを抱かせたり、あらゆる感情を引き起こします。 結局のところ、他者とコミュニケーションを取るのは皆さん自身。ならば、親切でありたいと思いませんか?

日常生活において、悩んでるときは勇気のある言葉、あるいは悲しいとき慰めてくれる言葉、楽しいときにはより明るくなる言葉があると心が安心する。

そう、言葉で共感を感じる感情の裏側には、適切なタイミングで適切な言葉存在するのだ。

ではバーチャルなWebの世界ではどうすればいいのか?どういうコンテンツ人を惹きつけるのか?わかりやすいこと、役に立つことは当然必要だ。

ニコル氏はそれに加えて、「フレンドリー」であることの重要性を強調している。フレンドリーのためには、以下の4つが必要だ。

  • 親切かつストレートに伝える
  • 肯定文を使う
  • 正確にかつ誠実に
  • ありのままを伝える
特にありのままを伝えることは難しい。僕自身もブログを書くときも「美しい」「革新的な」「かつてないほどの」といった、一見綺麗な言葉だけれども、具体性がなく、場合によってはオーバーに耐えられがちな言葉だ。
Bad:直感で使える当社のデザインツールなら、お客様が心から望むウェブサイトを、想像以上に楽に作成することができます。
Good:シンプルなテンプレートからお選びいただくか、FTPクライアントソフトを使ってサイトをカスタマイズしてください。

自分が使った言葉は「証明」できなければ、相手に疑問を持たれるだけ。

読者に「自分はわかってますよ」という雰囲気を出すのではなく、自分ができる精一杯の具体的なアクションや言葉が読者には一番刺さるのだ。

1ページ1ページめくる度に、自分のライティングスタイルを見直すきっかけとなる。

Webライター、ブロガーだけでなく、文章を書く人全ての人が読むべき1冊だ。

伝わるWebライティング ?スタイルと目的をもって共感をあつめる文章を書く方法

伝わるWebライティング ?スタイルと目的をもって共感をあつめる文章を書く方法

 Nicely Said: Writing for the Web with Style and Purpose (Voices That Matter)

Nicely Said: Writing for the Web with Style and Purpose (Voices That Matter)