SHIKOの道

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最高のクオリティ!ピクサーが制作に5年以上かかった『インサイド・ヘッド』を観るべき2つの理由

ピクサーの20周年記念作品『インサイド・ヘッド(洋題Inside Out)』が先週から公開されている。

ピクサーがディズニーの傘下に入ってから、エド・キャットミルとジョンラセターが双方を統括し、互いのスタッフを競わせている。

昨年、ディズニーが制作したアナ雪、ベイマックスは日本でも大ヒット。話題性だけでなく作品のクオリティも高かった。

そして、今年はトイ・ストリーの第1作が公開されてから早20年。

制作期間5年と妥協なく徹底的に創り込んだ当作品は、完成度の高さが話題だ。

僕自身も公開初日に観に行ったが、完成度の高さに驚いた。個人的な感想を言えば、トイ・ストリー3よりも上だ。(最初の期待度は低かったのもあるが・・)

getnews.jp

インサイド・ヘッドがすごい2つ理由

1.ストーリーを観るだけで、哲学がわかる

そう、これは人間にとって悲しみとは何かという、哲学的な問いを抱えた映画なのです。子ども向けのアニメで哲学、ですよ。すごいすごい。

東京大学教授の藤原帰一氏が毎日新聞のコラムで感想を書いている。

そう、このインサイド・ヘッドのテーマはとても哲学的なのだ。

この難しいテーマをストーリーという手法で描ききっているのが素晴らしい。

http://mainichi.jp/opinion/news/20150721org00m200033000c.html

2.最新科学が描かれている

top.tsite.jp

国際統合睡眠医科学研究機構の機構長も務める柳沢教授は、同作で描かれている"現実に起きたことが夢に出る"という仕組みについて、「夢は起きている間に体験したことの断片を組み合わせて作られるので、もちろん現実が反映されます」と回答。(略)さらに教授は「眠っている間も脳が休んでいる状態ではないことがしっかり表現されていました」と続ける。ライリーが寝ている間も"夢の製作スタジオ"は働いており、完全に頭の中がストップした状態にはならない。教授は「例えば楽器の練習をしてから寝ると、弾けなかった部分が起きたら弾けるようになったり、勉強も一晩寝ると暗記できていたりすることが多い。これは寝ている間に"思い出の整理"を行っているためで、記憶の定着が起こるからです」と解説し、「これは科学的に実証されている」と力強く語る。劇中でも、眠っている間に思い出の整理が行われていることをコミカルに表現。"思い出の保管場所"には今までライリーが記憶した思い出ボールがたくさん並んでおり、その中から不必要と判断された思い出は、記憶消し女と記憶消し男によって掃除機のようなもので吸い取られていく。

心の問題については、哲学的な観点から語ることもできるが、最新の科学はその脳の仕組みを解き明かしつつある。

本作品のストーリーは最新科学を踏襲し描かれているので、脳科学に詳しい人やその関連の本を読んだ人ほど作品の完成度に驚いてしまうのだ。

これ以上書くとネタバレになってしまうのでここまで。

気になる人は是非映画館で観て欲しい。

特に哲学好き、脳科学好きの大人は必見だ。

インサイド・ヘッド オリジナル・サウンドトラック

インサイド・ヘッド オリジナル・サウンドトラック