SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

馬を飛ばそう IoT提唱者が教える偉大なアイデアの作り方 ケヴィン・アシュトン

創造は魔法ではなく、地道な努力の結果なのである。 ケヴィン・アシュトン
モノのインターネットと呼ばれるIoT (Internet of Things) の提唱者であるケヴィン・アシュトン氏。
IoTは、これまでのイノベーションの領域を超え、私たちの生活を劇的に変容する可能を持っている。なぜなら、これまで単なるモノ思っていたものが、データを送受信し、そのデータを解析し、最適解からよりスマートになるからだ。
そんなアシュトン氏は、さぞ天才的な頭脳の持ち主で、圧倒的閃きで偉大なアイデアマンなのであろうとそう思っていた。そして、その期待を基にこの本を手に取った。そして見事に期待は裏切られた。
f:id:OQN:20160110135359j:image
 

創造に近道も短期レッスンもない

アシュトン氏の意見はこうだ。
創造には、ひらめきが必要だ ✖️
偉大なアイデアは普通に思考プロセスから生まれる◯
ブレインストーミングをすると、アイデアが生まれやすい✖️
ブレインストーミングは、創造的思考の妨げとなる◯
実行するまえに計画を立てること✖️
とりあえず、やってみよう ◯
大事なことは飛躍することではない、確実に段階を踏むことなのだ。問題を見つけて、解決をする。また問題を見つけて、また解決をする。また問…このように一歩一歩確実に進んでいくことこそが創造だとアシュトン氏は言う。革新的創造の象徴であるiPhoneだってその思考プロセスなのだ。
高機能の携帯電話はキーボードがついていて使いにくいという問題に対して、大きなスクリーンとポインターを使うという解決策を出す。どんなポインターかという新たな問題に対しては、マウス。マウスを持ち歩きたくないという問題には、タッチペンタッチペンなくすかもしれないという問題には、指を使うという解決策だ。

実際に、2007年のiPhone発表のときに、このような思考プロセスで話している。iPhoneといえども。ジョブズの魔法で生まれていないのだ。


諦めないこと

ひらめくことは気持ちがいい。「アハ!」体験のように、清々しさを感じることもある。しかし、注意すべきなことは、「確信」をした途端、進歩は止まるということだ。ブレインストーミングなんては、正しくそう。アイデアを実行することこそが創造だが、アイデアを出すのが楽しくてそこで止まってしまうのだ。
強い信念で、現実を直視することが必要だ。なぜなら、錯覚は心地良く、現実は痛み伴なうから。しかし、アシュトン氏はこれを希望だという。諦めなさえしなければ、誰でも創造できる可能性を秘めているからだ。報酬や賞では、そのモチベーションを保つことは難しい。他人の評価に左右されず、自分のために創造すること、情熱を燃やすことがエネルギーなのだ。
この本は楽観的ではない。しかし、もし何か息詰まってしまっていて、どうしようもない時は、その厳しい言葉からパワーをもらうことができる。IoTを提唱した俺だって一歩一歩進んできたんだ、お前も地道に諦めずに進め!というメッセージが十分に伝わる一冊だ。 
馬を飛ばそう

馬を飛ばそう