SHIKOの道

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アイデアが生まれるとき-大ヒットを量産する映画プロデューサー 川村元気氏の考え抜く力とは?

電車男」「告白」「悪人」「モテキ」そして「バクマン」ヒット作連発
今、日本で最もヒット作を作れる人なのかもしれない。
それが、映画プロデューサーの川村元気氏。
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26歳のときにデビューし、いきなり大ヒットした「電車男」。
そこから、「告白」「悪人」「モテキ」などヒット作を連発してきた。
そして今公開中の「バクマン」も彼のプロデュースによるものだ。
来年には、彼が書いた小説「世界から猫が消えたなら」の映画化も決定している。
そんな川村氏の話を六本木アートカレッジのクロージングトークで聞くことが出来た。
内容が濃かったので、「アイデアの生まれるとき」「映画企画の原則」の二回に分けて書こうと思う。
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違和感ボックスというアイデアを貯める場所
川村さんにとって、映画プロデューサーの仕事はシェフと同じという。
すなわち、良い素材(原作)を適切な調理法(監督、脚本、俳優)と工夫を凝らした盛り付け(宣伝・広告)で客に届けるのだ。
そして、その組み合わせを「企画」と位置付けている。

また、自らの仕事をストーリーでこう語っていた。
近所の駅にある赤いポストの上に、ずっとクマのぬいぐるみがある。みんなそれに気づいているんだけど、誰もそこに触れていない。僕の仕事は、このクマのぬいぐるみを持ち上げて、みんなに問いかけること。みんなそことなくわかっていることをカタチにすることだとある時気付いた。
川村さんは、本当に感性が鋭いと思う。
その秘密は、日頃から自分の中に違和感をため込むことを意識していることのようだ。
川村さん自身、この行為を違和感ボックスを貯めると呼んでいた。
そしてある程度貯め込んだら、長期間日本を離れ、プチバックパッカーをする。
そうすると帰りの飛行機で、どんどんアイデアが湧いてくるというのだ。
違和感?っていうことで、こんな話をされていた。
新宿から東京への中央線の終電、必ず泣いている女性がいます。恐らく、彼氏と別れたのでしょう。彼女らを観察していると、信濃町-四ツ谷のトンネルあたりから四ツ谷駅の間で落ち着くんですよ。しかし、神田駅に向かう時に、また思い出してしまったのか、また盛り上がってきちゃうんですね。これをみて、人が泣くっていうことにもグラデーションがあるっていうことに気づきました。すぐにアイデアに結びつくことはないですが、あるとき急に何かトリガーとなって、ふとアイデアになる時があるのです。特に関係のないもの同士が結びついたりするから面白いですね。
今回のアートカレッジは撮影可能であったため、多くの人がスマホで写メを撮っていた。
すると
話逸れるんですけど、この間ピクサーの本社に行ったとき、写メ撮っていたら向こうの人に笑われたんですね。なんだそのダサい音はって 笑
会場中でなっていた「カシャ」っていう音の違和感が、川村さんの中でピクサーの本社訪問のエピソードと繋がったようだ。
そう、写メの音がなるのは日本だけの仕様なのだ。これは日本にいると中々気づかない。
なんで、日本のスマホは音がついてるんだって向こうの人に言われても、上手く説明出来ないんですよ。盗撮対策なんて言ったら、日本は盗撮大国だと誤解されるじゃないですか 笑
何か面白いストーリーが生まれそうな瞬間だった。
川村さんの中では、何かを閃いているかもしれない。

ポイント
  • 人とは違う視点で、モノゴトを観察すること。
  • 違和感ボックスのストックが貯まると、ふとした瞬間にアイデアとアイデアが結びつく
次回は「映画企画の原則」
結びついたアイデアをどのように企画に落とすのか?について書く予定です。

仕事。

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