SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

The Gen Z Effectを読んで「時代感」を考える

「時代感」と「エッジ」

僕が好きなきゃりーぱみゅぱみゅのレーベル「unBORDE」の鈴木竜馬さんがテーマに掲げている言葉

時代を象徴するアーティストの輩出、時代に刺さる音楽を創ること指しているが、
言葉に爽快感があり、とてもカッコいい!

「時代感」って何?

2015年も明けて10日ほど経過、

ニュースとかみると、2015年はXX時代の幕開けとか◯◯新年とかいろいろ言われている
こういう単年の出来事を理解することはとても大事だけど、それは「時代感」ではないかなと

じゃ「時代感」って何?と言われると、僕のなかでは、
「今を起点に前後10年くらいを俯瞰してみること」かなと思っている

Generation Z(ジェネレーションZ世代)

"The Gen Z Effect-The Six Forces Shaping the Future of Bussiness"

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この本は、今の「時代感」を考えるきっかけを与えてくれる

The Gen Z(ジェネレーションZ世代)とは、1995年から2015年の間に生まれた世代です。

彼らが生まれた世代の特徴とは何でしょうか?

・赤ん坊のときに、離れて暮らすおばあちゃんがiPadの画面を通して話しかけてくれる
・1日の稼ぎが5ドル以下の両親を持つケニアの子供が、MITのオープンコースによって最新の教育を受ける
KickStarterなどのクラウドファンディングサービスで、資金のない高校生が起業をする
3Dプリンターを通して、新しい医療器具を高校生が開発する

爆発的なテクノロジーが進化している時代に生まれてた世代、
子供のときからスマホタブレットが当たり前となっている彼らには、
6つの特徴があると著者のTom氏は主張している。

① Breaking Generations:世代の壁の崩壊

これから未来に向けて、人口構造に大きな変化が現れる
それはピラミッドと呼ばれる三角形から、超高層ビルのような縦長の長方形に近づいていくということ

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このような人口構造の変化に伴い、我々の社会はどのように変化するのだろう?
寿命と働く定年期が延びるとされる時代、
例えば大学の教室では、最も年をとった人は教授ではなくなるかもしれません。
そのような中で、Z世代のパワーは強力です。
彼らは、自分の意見を何十億人に伝えることのできるチャネルを創ることができる、
それを利用することができる、それらが当たり前の世代!

そのため若い彼らの活動力や先見性は強力です。
彼らの発信する想いは、
世代を超え、共感する人のコミュニティーをすぐに創るできる。
そして、そのコミュニティーは世界を変えるアクションをおこす!


②Hyperconnecting: Me to We ハイパーコネクティング 私だけなく私たち

世界の携帯電話の台数を知っているだろうか?
約70億台、これは全人口よりも多いという統計もある。
もちろん単純には計算はできないが、それでも世界のほとんどの人と我々はもう繋がっているのだ。
スマホタブレットを持っている限り、
メールやSNSで毎分私たちは世界のどこかと繋がっている。
GoogleGlassに代表されるウェアラブル端末などがより普及すれば、
より視覚的な繋がりも増えるだろう。
ある意味繋がり過ぎた世界に旧世代は違和感を感じるかもしれない、
しかし、Z世代にとってこれは当たり前のことなのだ。


③Slingshotting:まずは引き寄せる、そして加速する

Z世代から新しい技術はどのように産まれるのだろうか?
新しい技術をどのように使うのか?に頭を使うのではない。

彼らはまるでスティージョブズのように、未来のビジョンを描き、
それに向かって前例のない新しい技術を開発するのだ。
彼らの作り出すものは、シンプルでユーザが使いやすく、そしてユーザからのフィードバックを素早く反映させるようなものが多い。

Z世代は、チクセント・ミハエ氏が提唱したフロー状態(スキルとやりがいが適度に均衡している状態)で、ワクワクした希望のある未来に向けて、楽しみながら働くのだ。


④Shifting from Affulence to Infulence:富から影響力へのシフト

世界の上位1%の人が46%の富と影響力を支配する世界、
一方で、世界の下位50%の人は1%の富と影響力しかない世の中、

もしその50%の人が、世界の1%の人と同じ機会があるとすれば、、

いや、影響力という点では、もはや世界の誰もが手に入れることができる時代
ブログ、ツイッターFacebookYoutube自分を表現する方法は様々

HikakinなどのYoutuberと呼ばれる人々、
香港の民主派デモのリーダーであるジョシェア・ウォンなど、
大きな富をもとに力を発揮していただろうか?

彼らが持っているもの、それは影響力!
富が影響力を産むのではなく、影響力が富を産む、
Z世代はそれを肌感覚で理解している。


⑤Adopting the world as My classroom:まるで自分の教室のように世界をつかう

世界の一流大学がオンライン上で無料で受けることができるMOOCs
単にオンライン上で授業を受けられるだけでなく、
レポートに提出やコミュニティーで議論することができる

これにより、世界の誰もがどこにいても最先端の教育を受けることができ、
実際に2014年の終わり頃には、MOOCsへのアクセスが1億人を超えると予想されている

このように自由に学べる環境が普及するとどのような変化が起きるのか?
それは教育過程がキャリアを決めるのではなく、キャリアが教育を決めるようになる

卒業学部によって、仕事やキャリアを決める人が多い中、
自由に学ぶことを知っているZ世代は逆の発想である。

アジリティ力の高い彼らは、キャリアに必要なことは後から学べばいいと考えている。
そして学ぶためときは、世界中のチャネル繋がるのだ。まるで自分の教室にいるかのごとく。


⑥LifeHacking:A Playbook for Gen Z:Z世代のライフハック

Z世代はこのある意味繋がり過ぎた繋がりについても、可能性に目を向けている。
恐らく、旧世代と比べてクラウドファンディングクラウドソーシングの特徴を理解しているだろう。
それらを使って、世界中を巻き込み、速くそして低コストハイクオリティでビジネスを進めていくかもしれない。
3Dプリンターについても、より商業的に使える仕組みを彼らは産み出すだろう。

Z世代が創り出す時代のうねり

僕自身はジェネレーションY世代、属にいうミレニアム世代と呼ばれている
成人を迎えた時にネットが当たり前となって育った我々は、
5年前に出た「デジタルネイティヴが世界を変える」では時代を変える新しい世代として期待されていた

自分が考えていた「時代感」はもはや時代遅れで、
すぐ後ろにきている大きな波に気づいていないのかもしれない。

この本は、そのことを教えてくれた