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SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

ロボットの脅威:人の仕事がなくなる日/Rise of the Robots: Technology and the Threat of a Jobless Future

教育やスキルをさらに身につけることは、将来に起こる雇用の自動化からの効果的な盾に必ずしもならない 

ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日

ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日

Chapter 1自動化の波 The Automation Wave 
Chapter 2 今度は違う/Is This Time Different? 
Chapter 3 情報テクノロジー 断絶的破壊をもたらすこれまでにない力Information Technology: An Unprecedented Force for Disruption 
Chapter 4 ホワイトカラーに迫る危機White- Collar Jobs at Risk 
Chapter 5 様変わりする高等教育 Transforming Higher Education 
Chapter 6 医療という難問The Health Care Challenge 
Chapter 7 テクノロジーと未来の産業Technologies and Industries of the Future 
Chapter 8 消費者、成長の限界・・・そして危機?Consumers, Limits to Growth . . . and Crisis?
Chapter 9 超知能とシンギュラリティSuper- Intelligence and the Singularity 
Chapter 10 新たな経済パラダイムを目指してToward a New Economic Paradigm
 
テクノロジーの波は製造業だけではない、ライター、そして作曲家も巻き込む?
「テクノロジーが雇用の75%奪う」の著者マーティン・フォード氏の今年の5月に発売した「Rise of the Robots」が早くも日本で翻訳されて発売された。
今年は、人工知能(AI)が各メディア・雑誌で大きく取り上げられた。ホーキング博士イーロン・マスク氏などの著名人が人工知能の脅威について、言及したことも大きい。
 
とは言いつつ、我々の実生活を考えるとまだまだFSの世界の話に感じてしまう。
また技術が進歩することで、新しい雇用が生まれる、高性能なロボットができたとしても、我々はより人間らしい仕事にシフトして共存する社会が構築される、そんな楽観的なシナリオを描いていた。
 
しかし、本書はそんな楽観論を一蹴する強力な1冊だ。
すでに、進化のスピードは我々の想像を遥かに上回っている。
 
いやいや、そんな技術が進化しても実用化するには莫大なコストがかかるでしょ!
そんなツッコミは、通用しないレベルまできている。
 
例えば、本書で紹介されているのが、Baxterと呼ばれる産業ロボット。
Rethinkというルンバや爆弾の不発処理の軍事ロボットを作成している会社だ。
産業用のロボットは一般的にには、高度なプログラミングを要し、莫大なコストが必要とされる。
 
しかし、Baxterは必要とされるアームの動きを動かすだけで訓練することができる。一台のBaxterが読み取った情報は、USB経由で別のBaxterに伝えることも可能だ。
このBaxter基礎となっているのが、ROS(ロボットオペレーションシステム)と呼ばれる無料のオープンソースだ。
iOSやアンドロイドで様々なアプリケーションが開発されたように、このようなオープンプラットフォームが公開されると爆発的スピードでイノベーション生じる。
つまり、身の回りにある旧式の機械も、数年後には最新のOSを身につけたスマートロボット変貌していることはありえない話ではないのだ。
すでにGoogleは2011年に、クラウドロボティックスへの支援を表明しており、ロボットがアンドロイド機器用にデザインされたサービス全てを利用できるようなインターフェースを提供している。
 
そして、恐ろしいことに影響を受けるのは、製造業だけではない。
ライターといった職業も「機械」に取って替わられる可能性があるのだ。
例えば、ネイティヴサイエンス社人工知能エンジン・クイル。
この人工知能のポテンシャルは30秒以内に一本のニュース記事を書き上げることができ、フォーブスなどの一流紙にも採用されている。
WIREDのライターのスティーヴン・レヴィ氏は、15年以内に90%記事がアルゴリズムによって書かれるだろうと発言している。
もちろん、ニュース記事がアルゴリズムで書けるようになるということは、社内の内部資料調査資料も全て代替される可能性があることを意味する。
 
では、クリエイターはどうか?残念ながら、この分野も悲観的かもしれない。
すでにイアモスという人工知能は、人間が介入しなくても、極めて複雑な、しばし聴衆に情緒的な反応を引き起こす楽曲を数分で書き上げるという。
 
どうするの?どうしようもない?
ここまで技術が進化すると、我々が身につける新しいスキルや知識はもはや太刀打ちできない。
多くの職はロボットに代替され、ロボットを保持している人が富を得るだろう。
これまでにない格差社会の到来だ。
第10章では新しい経済パラダイムとして、ベーシックインカムより受け入れらる社会を提唱しているが、そうするしかないくらい自動化テクノロジーの波を止められないということだろう。
最後にこの言葉で締められている。
ジョンケネディが言ったように、「現状にとどまるためにさえ、我々は必死に速く走らなければならない。」それは1963年には可能だった。私達のこの時代には、それすら不可能かもしれないのだ。
John Kennedy said, “To even stand still we have to move very fast.” That was possible in 1963. In our time, it may ultimately prove unachievable. 
Rise of the Robots: Technology and the Threat of a Jobless Future

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テクノロジーが雇用の75%を奪う

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