ロボットの脅威:人の仕事がなくなる日/Rise of the Robots: Technology and the Threat of a Jobless Future
教育やスキルをさらに身につけることは、将来に起こる雇用の自動化からの効果的な盾に必ずしもならない
- 作者: マーティン・フォード,松本剛史
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2015/10/22
- メディア: 単行本
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Chapter 1自動化の波 The Automation Wave
Chapter 2 今度は違う/Is This Time Different?
Chapter 4 ホワイトカラーに迫る危機White- Collar Jobs at Risk
Chapter 5 様変わりする高等教育 Transforming Higher Education
Chapter 6 医療という難問The Health Care Challenge
Chapter 9 超知能とシンギュラリティSuper- Intelligence and the Singularity
Chapter 10 新たな経済パラダイムを目指してToward a New Economic Paradigm
テクノロジーの波は製造業だけではない、ライター、そして作曲家も巻き込む?
とは言いつつ、我々の実生活を考えるとまだまだFSの世界の話に感じてしまう。
また技術が進歩することで、新しい雇用が生まれる、高性能なロボットができたとしても、我々はより人間らしい仕事にシフトして共存する社会が構築される、そんな楽観的なシナリオを描いていた。
しかし、本書はそんな楽観論を一蹴する強力な1冊だ。
すでに、進化のスピードは我々の想像を遥かに上回っている。
いやいや、そんな技術が進化しても実用化するには莫大なコストがかかるでしょ!
そんなツッコミは、通用しないレベルまできている。
例えば、本書で紹介されているのが、Baxterと呼ばれる産業ロボット。
Rethinkというルンバや爆弾の不発処理の軍事ロボットを作成している会社だ。
産業用のロボットは一般的にには、高度なプログラミングを要し、莫大なコストが必要とされる。
しかし、Baxterは必要とされるアームの動きを動かすだけで訓練することができる。一台のBaxterが読み取った情報は、USB経由で別のBaxterに伝えることも可能だ。
このBaxter基礎となっているのが、ROS(ロボットオペレーションシステム)と呼ばれる無料のオープンソースだ。
つまり、身の回りにある旧式の機械も、数年後には最新のOSを身につけたスマートロボット変貌していることはありえない話ではないのだ。
そして、恐ろしいことに影響を受けるのは、製造業だけではない。
ライターといった職業も「機械」に取って替わられる可能性があるのだ。
この人工知能のポテンシャルは30秒以内に一本のニュース記事を書き上げることができ、フォーブスなどの一流紙にも採用されている。
もちろん、ニュース記事がアルゴリズムで書けるようになるということは、社内の内部資料調査資料も全て代替される可能性があることを意味する。
では、クリエイターはどうか?残念ながら、この分野も悲観的かもしれない。
どうするの?どうしようもない?
ここまで技術が進化すると、我々が身につける新しいスキルや知識はもはや太刀打ちできない。
多くの職はロボットに代替され、ロボットを保持している人が富を得るだろう。
これまでにない格差社会の到来だ。
最後にこの言葉で締められている。
ジョンケネディが言ったように、「現状にとどまるためにさえ、我々は必死に速く走らなければならない。」それは1963年には可能だった。私達のこの時代には、それすら不可能かもしれないのだ。
John Kennedy said, “To even stand still we have to move very fast.” That was possible in 1963. In our time, it may ultimately prove unachievable.
Rise of the Robots: Technology and the Threat of a Jobless Future
- 作者: Martin Ford
- 出版社/メーカー: Basic Books
- 発売日: 2015/05/05
- メディア: Kindle版
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