海図の世界史―「海上の道」が歴史を変えた
海の視点から読み解くと、新たな通史がみえてくる
世界地図が初めて書かれたのが、11世紀と言われている。
しかし、あくまで"アレクサンドリア"から観た世界、世界全体の2割強に過ぎなかったという。
幸か不幸か、これが海図の歴史の始まり。
この"誤った"世界地図を持ち、アジアを目指した男たちがいる。そう、コロンブスやマゼランだ。
アジア周辺については曖昧な記載になっていたが、地中海については鮮明に記載されていたため、当時この地図による航海主流であった。
そして、マゼランの航海により太平洋、アジアの輪郭が明らかになった。
彼らの冒険により、世界の全体の形が次第にはっきりし、描かれる地図の範囲も拡大していった。
それはまさに、世界を俯瞰することが現実的にできるようになっていったのだ。
世界を変えてきたのは、いつも一枚の地図だった・・・・・
この地図を作る技術が国力を左右する。
聖書の製版により、印刷技術に長けていたオランダも海運力を延ばしていった。
今の時代だとどのような技術だろうか?
GPSや気象予測の技術が鍵を握るのではないか?。
つまり、衛星事業に力を入れているアメリカや中国、今後より海運の領域で世界で影響力を伸ばすだろう。
これからの時代を切り開く
コロンブスやマゼランのように新しい大陸を切り開くべき分野がいくつもある。
インターネットだってまだまだ当てはまる。
まだ人類の全てが、インターネットを享受できているわけでもない。中国のように規制されている国も存在する。
我々が知っているインターネットの領域は、もしかしたら全体の2割くらいなのかもしれないのだ。
切り開くためには何が必要か?
他のライバルに負けないためには、どんな優位性が必要か?
今はまだわからない。先人たちが示してきてくれた道をがむしゃらに追うしかない。
まずは進むことが何よりも大切だ。
もし運が良かったら、コロンブスのように新大陸を見つけることができるのだから。
- 作者: 宮崎正勝
- 出版社/メーカー: 新潮社
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