SHIKOの道

〜海外の最新洋書と好きな音楽を中心に〜 まずは試行と思考を高い志向で

「START INNOVATION!with this visual toolkit」この本を読んでようやくイノベーションを起こせない理由がわかった

どうやってイノベーションを起こすのか?ー今まで通りのことをしていては、今まで通りのことしか得られない

イノベーション」に関する本と聞いて、まず一番に思い浮かぶのは、
クリステンセン氏の「イノベーションのジレンマ」ではないでしょうか?
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

 

業界トップになった企業が顧客の意見に耳を傾け、さらに高品質の製品サービスを提供することがイノベーションに立ち後れ、失敗を招くという考え方

 
最近では、新しいビジネスモデルのアイデアをどんどん創っていこうってことで、「ビジネスモデルジェネレーション」っていう本もあります
ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

 

新しいビジネスモデルを作成する、もしくは現行のビジネスモデルを可視化するテンプレート。組織が提示する価値、インフラ、顧客、そして財務など9つのブロックに分けて考察する。

実際に、キャンバス書いてみると色々アイデアが出てきて楽しい

 

このようにイノベーションに関する素晴らしい本は多くあるけど、

実際に新しいビジネスモデルやイノベーションを生み出せていない、

実のところ使いこなせていないのが、僕の現状だ(多くの人もそうかもしれない)

 

そんなときに、BNN新社さんからご献本頂いた1冊の本

「スタート・イノベーション!START INNOVATION!with this visual toolkit.」

著者:ハイス・ファン・ウルフェン 
f:id:OQN:20150218115235j:plain
 

イノベーションを理解するー大切なのは辿り着くことではない、旅そのものだ

ハイス氏は、世界中のさまざまな企業・NPO組織で、講演・研修、ワークショップのファシリテーションを通して、数々のイノベーションを成功に導いている。
彼のこれまでのKnow-Howが本書にはつまっている。
中でも強調されているのが、イノベーションのプロセスの重要性
彼が提唱しているプロセスは、各頭文字をとってFORTHと名づけられている
ワークショップではこれを15週間かけて行うそうだ
 
  • FULL STEAM AHEAD 全速前進でスタート
  • OBSERVE&LEARN 観察と学び
  • RAISE IDEAS アイデアを出す
  • TEST IDEAS アイデアをテストする
  • HOMECOMING 帰還 
FULL STEAM AHEAD 全速前進でスタート

成功に欠かせないのが入念な準備

少なくとも4つの事柄ははっきりさせる(5週間かけて意欲的なチームを作る)

  1. イノベーションの使命はなんなのか?
  2. 内部の依頼者は誰か?
  3. 理想のアイデア創出チームのメンバー構成は?
  4. どのイノベーションの実例を調査すべきか?
OBSERVE&LEARN 観察と学び

ここではThink Differentの思考が必要

いかに古いアイデアを捨て去るかだ

  1. 活用できそうなトレンドやテクノロジーはどれか?
  2. 顧客は誰で、どこに不満を持っているか?
  3. インスピレーションの源になるイノベーションの実例はどれか?

RAISE IDEAS アイデアを出す

イノベーティブな製品や新コンセプトのアイデアを出すために必要なこと

  1. 500~700個のアイデアを出すこと
  2. 30~40個のアイデアの方向性
  3. 12個のコンセプトを出す
  4. 12個の改善されたコンセプトを出す

*効果的なブレスト方法も数多く記載されているので、気になる方は本書参照


TEST IDEAS アイデアをテストする

テストを通してコンセプトを3~5個に絞る、そのためには以下が重要

  1. 顧客の本当の声を聴いているか?
  2. コンセプトは正しいものが選び出せているか?
  3. コンセプトの担当ペアの割り振りは適切か?

HOMECOMING 帰還 

アメリカ大陸を発見したコロンブス、人類で初めて月に立ったニール・アームストロングのように著者は、イノベーションを探検に例えている

色々な土地を巡っても最後は、何かを得て帰還している探検家たち

これまでのステップで得た3~5個の新しいコンセプトをビジネスモデル化するために、上層部の承認、開発者や実行者などの新チームにきちんと受けたすが重要だ

 

本書はツールキットということもあり、この5ステップを実行するためのアイデア、事例、ワークショップが数多く記載されている

イノベーションを使いこなすーいいアイデアは珍しくはない、珍しいのは、いいアイデアが出るまでに懸命に働く人達の方だ

では実際にイノベーションを起こすことが出来るのか?

今回ご献本いただいたBNN新社さんで、

この本をどうやって使えば、イノベーションを起こせるのかをブレストしてみた

この本を読む⇒気になった言葉、イノベーションのために必要なアクションをポストイットに書く⇒FORTHで纏めてみる

これを3人で10分くらいでやった結果、

f:id:OQN:20150218115238j:plain
 
みんな、STEP3の「アイデアを出す」までは色々アイデアがすぐ出てくるが、
STEP4「アイデアをテストする」以降の言葉がでてこない
これまで出版された名著「イノベーションのジレンマ」や「ビジネスモデル・ジェネレーション」により、イノベーションの目的や重要性、アイデアの出し方っていうのは十分すぎるほどわかっている
ただそれを市場で試したり、ビジネスモデル化する思考が決定的に不足しているので、いくらいいアイデアがあってもイノベーションが起こせないということがわかった
(「実際にやってみることが大事」なんて小学生のころから知っていましたが、FORTHのプロセスで可視化したことにより、ようやく実感して理解できました 笑)
冷静に考えると、アイデアを出すまでは楽しい作業だけど、それ以降は根気のいる作業に代わるので、無意識のうちに避けていたのかもしれない
 

成功確率20%だが、挑戦すべき理由ー誰が何と言おうと、言葉とアイデアは世界を変えられるんだ

イノベーションの80%は失敗すると著者は初めに述べている

だからこそ、プロセスが重要

ちょっと足を突っ込んだだけの体験では何も変わらないが、

綿密な計画、洗礼されたプロセスに身をおいた場合、それは体験ではなく経験となり、未来のイノベーションための財産になる

本書はそのことを教えてくれる素晴らしい1冊だ

START INNOVATION !  with this visual toolkit.〔スタート・イノベーション!  〕―ビジネスイノベーションをはじめるための 実践ビジュアルガイド&思考ツールキット

START INNOVATION ! with this visual toolkit.〔スタート・イノベーション! 〕―ビジネスイノベーションをはじめるための 実践ビジュアルガイド&思考ツールキット

  • 作者: ハイス・ファン・ウルフェン,小山龍介,山口博志,上原哲郎,田川欣哉,高崎拓哉
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2015/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る