最高の答えがひらめく、12の思考ツール:問題解決のためのクリエイティブ思考
クリエイティブな答え
学校の清掃業者が校長先生に、生徒たちが女子トイレの鏡に、口紅でキスマークをつけていくと文句を言った。止めるように張り紙をしたが、効き目がなかった。それどころか、状況はひどくなった。脂分の多い口紅を毎日取り除くのは苦痛である。そこで校長は、代表の女子生徒たちをトイレに呼んだ。そして鏡についたキスマークを指差した。多くの生徒が思わずにやりとした。「口紅を取り除くのは簡単ではありません。」校長は言った。「そもそも唇から落ちにくい成分が入っているのですから、毎日これをきれいにするのは、たいへんな苦労です。」二人の生徒がくすくす笑った。「でも、運のいいことに、効果的な方法が見つかりました。」校長は言った。そこで、一緒にいた清掃員スポンジを手に取り、便器に浸して……そこで鏡をふいた。こうして口紅の問題は一気に解決した。本書「最高の答えがひらめく、12の思考ツール〜問題解決のためのクリエイティブ思考」で紹介されているエピソードだ。
ハンマーしか持たない人には全ての問題が釘に見えてくる
問題を解決する方向性は2つある
- 意識的に論理を積み重ねるロジカルシンキング
- 無意識的な直感から発想するクリエイティブシンキング
本書は、ロジカルシンキングは使い物にならず、クリエイティブシンキングがあれば全てが解決するという単純な主張ではない。
前提として人間の脳は不完全であり、つまり我々は全て合理的に行動できないし、無意識をコントロールできるわけでもないという考えに基づいている。
その中で、我々が目の前の壁にぶち当たったときに使える12の思考ツールを提唱している。
12の思考ツール
- 問題を大きくする:Think Bigger
- 他人になる:Think like another
- 反逆する:Be contrary
- 制約を受ける:Be constrained
- 選択肢を受ける:Choice architecture
- 古い+古い=新しい:Old+old=new
- 逆行分析する :Reverse engineering
- 問題を回避する :Sidestep the issue
- ランダムを挿入する :Random insertion
- 精査し、推定する :Interrogate and extrapolate
- シンプルな解決をする :Solve something simpler
- 組み合わせ、再定義する :Combine and redefine
この12ツールをみて、よくある考え方じゃんと思う人がほとんどだ。
なぜなら、人大なり小なり何かしらの問題を解決したとき、無意識でこれらの発想を使っているからだ。
しかし、これらを意識的にかつ効果的な使って問題解決をしているクリエイティブシンカーはどれほどいるだろうか?
行き詰まった問題を考え抜いて解決の糸口を閃いたときの喜びは、他に変えられない快感がある。
本書では、そこに辿り着くためにツールを12にシンプルにまとめているだけでなく、実際の実例やどのような場面でより効果が発揮されるかが書かれている。
この本を読めば、周りから求められるクリエイティブシンカーになることが可能なのだ。
最後に著者のイアン・アトキンソン氏のことば
問題解決は非常に楽しいものになり得る。チャンスの獲得は、非常に見返りの大きなものになり得る。イノベーションを実現すれば、人びとに「ブレーン」として頼られるようになる。そしていつだって、よりよい答えというものがある。
最高の答えがひらめく、12の思考ツール ―問題解決のためのクリエイティブ思考
- 作者: イアン・アトキンソン,笹山裕子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
The Creative Problem Solver: 12 smart problem-solving tools to solve any business challenge
- 作者: Ian Atkinson
- 出版社/メーカー: FT Press
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る